Collective Knowledge of Architectural Design(2024)

コンパクト建築設計資料集成 第4版

本書は学生を主たる対象とし、建築製図の補助資料、建築計画の講義の教材として、膨大な建築設計資料から情報の抽出・編成を行った。情報ネットワークを通じて多様な情報が容易に入手できる時代において、建築の押さえるべき基本、すなわち変わらないところ、変えてよいところ、変えねばならないところ等を判断する基礎を示すものである。
今回の改訂においては、共生,多様性,少子高齢化,老朽化,デジタル化,施設マネジメント,災害復興,持続可能性,低炭素化社会などのキーワードをとらえた。急速な変化の中で,社会的かつ建築的な課題を建築計画・設計としてどう受け止めるのか。従来の建物種別を超えて新たな建築像をどう描くのか。「建築デザインの基礎」「アクティビティと空間」「プログラムと建築」の3部構成で、その発想の手がかりを示す。
*第III部 プログラムと建築「居住―集合住宅」を井本佐保里氏と共同執筆)

Practical knowledge of description(2024)

越境する実践知にむけて

2021年度より建築・都市計画,社会心理学,文化人類学の研究者でまちづくりの現場を記述する方法について何度も議論を重ねてきた。そこでは記述という行為を単に記録やレポートしてではなく,主体形成や価値創造の契機を含みこんだ創造的な営みとして捉え,まちづくりの実践を支える知的基盤(実践知)を現場から立ち上げることを目指してきた。今回の研究集会では,問題意識や現時点での成果をよりオープンな場で共有し,また,まちづくり,都市空間史,環境社会学の研究者を招いて議論し,成果のとりまとめにむけた方向性を確認する機会とする。

Open your mind on sustainability(2023)

地域の当事者目線で考えるサステナビリティ

私たちを取り巻く環境・社会課題は、さまざまあることはわかっていながらも、「自社で何ができるかわからない」「どのように推進していけばいいかわからない」といった悩みを持つ方が多いのではないでしょうか。このような悩みを持つ方に向け、環境・社会課題に関する情報の発信、ネットワーク組成に取り組むGREEN×GLOBE Partners(株式会社三井住友フィナンシャルグループ、株式会社三井住友銀行)と京大オリジナル株式会社主催のトークイベントを、本学およびオンラインで開催します。

 「地域の当事者目線で考えるサステナビリティ」をテーマに、「コミュニティとサステナビリティ」という非常に大きなテーマに対して、企業がいかに当事者意識を持ち、どのような姿勢で、何に取り組むべきかについて、本学の教員や企業の担当者とともに考えていきます。

イベントレポート

 京都大学 philo- 2023年10月17日、オンラインイベント「地域の当事者目線で考えるサステナビリティ」が開催されました

 GREEN × GLOBE Partners 地域の当事者目線で考えるサステナビリティ—— 自律協生と地域運営をめぐって

Moving Days (2024)

「借りて暮らす住まいの現在」(日本建築学会近畿支部住宅部会セミナー)
引っ越しに密着した写真集『moving days』(誠光社刊)の制作や様々な生活の風景の撮影、そしてUR都市機構のウェブマガジン「OURS.」(現「うちまちだんち」)のプロデューサーの1人として、これまで団地や借り暮らしの魅力を色々な形で表現してきた平野さん。歴史ある洋風町家で育った平野さんが、これまで見てきた借り住まいの事例やその経過をもとに、家を持たず揺れ動きながら暮らしていく価値観・カルチャーにはまっていったきっかけやその魅力について、今後の制作や展示のことも絡めて語っていただきます。
*詳細・申し込み:https://peatix.com/event/3839735

See and Feel Sri Lanka Today(2024)

舌で知り、頭で味わうスリランカ―食と農業,伝統医療,建築,社会経済からみえる「今」(2024)

スリランカ各分野の専門家・研究者が京大に集い,「スリランカの食」を入口に、立場や分野を越境しながら、スリランカのディープな魅力や社会課題を語り合う。専門家に限らず,スリランカについてもっと知りたい人,海外での活動に関心がある若い世代や学生の参加も大歓迎! 

*詳細および参加登録用WEBフォームはリンク先のページを参照

Rewatching Ushimado(2023)

うしまど ✕ 窓散歩(牛窓フレーミング散策実験展示)

2022年に実施した「窓散歩」(街並みフレーミング散策実験)では,牛窓を歩く16人の来街者が街で見聞きした体験が音声と画像・映像によって記録されました。今回,これら550点にのぼる記録を整理・編集し,展示公開します。牛窓を訪れた人びとが何を見,どんな価値を感じたのか,ぜひご注目ください。

Urban Space Created by Markets(2023)

市場がつくる都市空間 戦後復興期の日本都市史の事例から

商業空間の普遍的な建物類型には、職住一体の町屋と市場がある。両者ともに都市史研究には分厚い蓄積があるが、本発表では市場に注目する。

第二次世界大戦の空襲によって焼けた東京が再生する過程で、終戦直後から急速に形成が進んだのは市場であり、戦後の「闇市」は復興の象徴として映画、小説にも多く描かれてきた。東京の山手線沿線の私鉄ターミナル駅前に限って言えば、市場の形成によって都市空間が戦災から再生したといっても良いだろう。戦後復興期の日本都市で、市場はどこに現れ、誰が関わり、そしてどのように機能したのか、東京の市場を中心的な事例として議論する。

【参加申込みフォーム】

https://forms.gle/M5CR4qG1zdXmvANV6

Kitchens and Dwellings Around the World(2023)

台所からみる世界の住まい

「世界の台所探検家」として世界各地の台所をめぐっている岡根谷さんに、現地の人と一緒に料理や食事をして体験した、リアルな暮らしと文化のストーリーを紹介いただきます。家庭の台所と食卓からは、その土地の暮らしや社会背景までもが見えてきます。世界の台所を知ることで最終的に日本の住まい、台所への理解を深めたいと思います。

Are You Ready?(2023)

「特集 そなえる都市 そなえる私日本建築学会 建築雑誌,2023年9月号

関東大震災から100年、多くの教訓の蓄積が建築や都市を変質させてきた。もし、未曾有の災害がいま襲いかかってきたら、あなたはどのように行動するだろう?オンタイムでものと人が行き交うこの社会で、あなたの準備は万全だろうか?この特集ではもう一度、空間、もの、人、そして、こころの備えを確認したい。あなたの備えはできているだろうか? Are You Ready?

Questionnaire Survey on Jizo-Bon (Response to COVID-19) (2023)

地蔵盆に関するアンケート調査(新型コロナウイルスへの対応)実施中 *画像をクリックすると回答フォームへ飛びます

新型コロナウイルス感染症が今年5月に5類感染症に移行したことを受け,コロナ禍で中断を余儀なくされていた多くの地域行事も徐々に再開されつつあります。当調査は,京都市内の町内会・自治会等を対象として地蔵盆の開催状況や再開・継続にむけた課題を把握することを目的としています。調査結果は,今後の地域活動のあり方について検討する際の資料として役立てていきます。

アンケートの対象: 京都市内で地蔵盆を開催している地域(町内)や団体であり、 今年の地蔵盆の開催者(地蔵盆の世話役、町内会・自治会の役員など)

回答期限:2023年9月8日 (回答の受付は締め切りました)

以下のHPにもWEB入力フォームへのリンクが掲載されています。
 京都市 自治会・町内会&NPOおうえんポータルサイトhttps://chiiki-npo.city.kyoto.lg.jp/assoc-news/1484.php
 京都をつなぐ無形文化遺産

アンケート最終結果(自治会・町内会&NPOおうえんポータルサイト)

京都大学オンライン講義「立ち止まって、考える」(調査結果の一部を紹介しています)

The housing “ladder” in slum resettlement project(2023)

Acceptance and transformation of the housing “ladder” in slum resettlement projects in Colombo, Sri Lanka(Japan Architectural Review)

This study focuses on the Sustainable Township Development Programme, a slum resettlement project that represents a recent housing policy shift in Sri Lanka. Through the actual housing improvement activities of the residents of Sahaspura, a resettlement housing complex, and the slum residents in the surrounding area, the response of the beneficiaries to the housing “ladder” was clarified. Policy makers and planners intended to merge slum dwellers into the formal housing market through the provision of “ladders,” a set of regular ownership and dwelling units in Sahaspura. However, residents have responded in a variety of ways, including house extensions and renovations and informal housing transactions according to their daily needs.

Ushimado-gatari vol.3(2023)

『牛窓がたり』第3号

牛窓のまちに関わる人びとを介して,かつて瀬戸内海の要衝として栄えた港町・牛窓について理解を深めることを目的としたインタビュー集の第3号です。まちを通して,私とはなにか,私たちのコミュニティとはなにか,対話の媒体となることをめざしています。

This is a collection of interviews aimed at gaining a deeper understanding of the port town of Ushimado, which once developed as a economic and culutural cvore on the Seto Inland Sea, through the people involved in the community of Ushimado. It aims to be a medium for dialogue about what I am and what our community is through the community.

HABITAT: Vernacular Architecture for a Changing Planet(2023)

『世界居住文化大図鑑―人と自然の共生の物語』

気候変動がもたらす異常気象により、世界中の人びとは生命を脅かされる事態に直面している。この限られた惑星のなかでどのように生きていくか、私たちと自然の関係を問い直すことが今こそ求められている。地域の気候や立地、人びとの生活や文化に応じてつくられる建築「ヴァナキュラー建築」。人類は、自らの生活の拠り所としている地球の生態系のバランスを崩すことなく、建築を創造してきた。古代からの知恵を、すべての人にとって持続可能でより豊かな明日のために適応させることに、地球と私たちの未来はかかっている。

People around the world are facing life-threatening situations due to extreme weather conditions brought about by climate change. Now is the time to rethink our relationship with nature and how we should live on this limited planet. Vernacular architecture” is architecture that is created in response to local climate, location, people’s lifestyles, and culture. Humans have created architecture without disturbing the balance of the earth’s ecosystem on which they depend for their livelihood. The future of our planet and our future depends on adapting this ancient wisdom for a sustainable and more prosperous tomorrow for all.

Revisiting Ushimado: ushimado.labo 2022 Annual report(2023)

『牛窓再読』ushimado.labo 2022年度活動レポート

瀬戸内海に古くからあるちいさな港町・牛窓。交通の便が良いとは言えず、不動産流通を促す仕組みが整っている訳でもないこのまちに、人びとは何故こうも引き寄せられるのか。その理由となっている様々な側面を「住み継ぎ」という言葉を手がかりとして知ることで、このまちに感じる奥深さの一部が現れてくるのではないかと想像した。
私たちがこの調査で行おうとしているのは、それらを解明して分かりやすい言葉にまとめることではない。長い時間軸のなかで、人の営みや暮らしがまちを創り、コミュニティを形成し、景色を残し、未だ多様な経歴を持つ人たちを寄せ付け、受け入れるまち牛窓を「再読-Revisiting」することで、我々がこれから生きていく世界の「灯」を見つけることである。

Ushimado-gatari vol.2(2023)

『牛窓がたり』第2号

牛窓のまちに関わる人びとを介して,かつて瀬戸内海の要衝として栄えた港町・牛窓について深く理解することを目的としたインタビュー集の第2号です。まちを通して,私とはなにか,私たちのコミュニティとはなにか,対話の媒体となることをめざしています。

This is a collection of interviews aimed at gaining a deeper understanding of the port town of Ushimado, which once developed as a economic and culutural cvore on the Seto Inland Sea, through the people involved in the community of Ushimado. It aims to be a medium for dialogue about what I am and what our community is through the community.

Prescriptions from Fieldwork Around the World(2023)

『旅するモヤモヤ相談室』(世界思想社,2023年3月)

タンザニアの行商人、ブータンの酒飲み、エジプトのムスリム、パスタを深く味わうイタリア人……世界を知れば、悩みは解ける! 医学生が、先生たちを訪ねて見つけた、目からウロコの生きる知恵。読むと心が軽くなる、閉塞感を打ち破る対話集。

【本書に登場する先生たち】小川さやか(立命館大学大学院先端総合学術研究科),坂本龍太(京都大学東南アジア地域研究研究所),石井美保(京都大学人文科学研究所),東長靖(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科),宮本匠(大阪大学大学院人間科学研究科),風間計博(京都大学大学院人間・環境学研究科),前田昌弘(京都大学大学院人間・環境学研究科),岩谷彩子(京都大学大学院人間・環境学研究科),藤原辰史(京都大学人文科学研究所),松嶋健(広島大学大学院人間社会科学研究科),広井良典(京都大学人と社会の未来研究院),山極壽一(総合地球環境学研究所)

On the Bleached Surface in Fukushima(2023)

「特集 漂白の地表で」日本建築学会 建築雑誌,2023年3月号

大きな惨禍とそこからの復興は、都市/地域の環境を一変させる。
一見、漂白されたようにもみえるその地表に芽生える日常は、過去と地続きのものなのだろうか。
3.11以後、漂白されつづける福島。
そこでの試みや、人々の記憶や移動を捉える視点から、「日常」について考える。

Major catastrophes and the recovery from them transform the urban/regional environment.
Is the everyday life that sprouts on the seemingly bleached surface a continuation of the past?
Since 3.11, Fukushima has continued to be bleached.
This issue considers ‘everyday life’ from the perspective of the attempts made there, people’s memories and migration.

Kyo-machiya neighborhoods(2023)

京大リベラルアーツ教室 <京町家編>

京都には、「京町家」と呼ばれる歴史的な建物が数多く存在します。その数は4万棟を超えると言われ、京都らしい町並みには欠かせないものです。そんな町並みの保全に向け、市や地域の不動産、工務店等が、京町家を生かし残すためにあらゆる取り組みを行っていることを、皆様はご存じでしょうか。
今回は、京都大学の教員を始め、京町家に様々な角度から携わっているアカデミアの先生方に、それぞれのご専門からお話をいただきます。京町家に暮らす人、建っている場所、その近くには何があるのか、町屋は何でできているのか、どんな課題があるのか…京町家を取り巻く様々な環境・状況について、専門的な知見を得ることで、今までと違う魅力を再発見できるかもしれません。

Families on the move(2022)

「移動する家族」と住まい

「移動する『家族』 Families on the move」(撮影・監督:大橋香奈、2018 http://yutakana.org/fotm/ )は、国境をまたがるトランスナショナルな交流によって、異なる国で暮らす「家族」との関係を維持している、5人の物語を束ねたドキュメンタリー作品です。彼/彼女にとって、「家族」という関係性や、「Home」と感じられる場所は、どのようにつくられているのでしょうか。生活の形態や他人との関係性が多様化しつつある現代において、人々と住まいが互いに与える影響とはどのようなものでしょうか。本作の上映とその後のディスカッションを通して、「移動」と「住まい」の関係およびこれからの住まいの在り方を考える機会としたいと思います。

Fukkou Dialog 2nd season 02 (2022)

復興ダイアローグ2nd 第2回「街並み」:語り合う参加者募集中

毎回ユニークな仕方で災害と復興について対話する「復興ダイアローグ」。今回のテーマは「街並み」です。ダイアローグ当日(2022年9月25日)に,会場であるふたば学舎の周辺を散策し,スマホのカメラ等で記録した「気になる街並み」を持ち寄り,参加者全員で他祝すます。(路上観察学の手法を応用)

Questionnaire Survey on Jizo-Bon (Response to COVID-19) (2022)

地蔵盆に関するアンケート調査(新型コロナウイルスへの対応)実施中 *画像をクリックすると回答フォームへ飛びます(回答の受付を締め切りました)

地蔵盆は近年、地域コミュニティ活性化への寄与という点から再評価されています。このアンケートは,昨年度に引き続き,京都市における今年の地蔵盆の実施の可否を含めたご予定や近年の状況についておたずねし,地蔵盆の現状と課題を把握することを目的としています。今後,影響が長期化することも予想される新型コロナウイルスへの地蔵盆を含む地域活動の継続方法を検討することに役立てていきます。

アンケートの対象: 京都市内で地蔵盆を開催している地域(町内)や団体であり、 今年の地蔵盆の開催者(地蔵盆の世話役、町内会・自治会の役員など)

回答期限:2022年8月10日 → 8月20日(期間延長)(回答の受付は締め切りました)

*セミナーの紹介) 京のまちづくり史連続講座 第3回「地蔵盆とまちづくり」  京都市景観・まちづくりセンター オンライン(ZOOM)開催 景観・まちづくり大学 2022/8/5(金) 19:00~20:30

*新聞記事紹介) 「途絶えると復活難しい」どうする京都市の地蔵盆 地域への影響は 研究者に聞く,京都新聞 8月9日朝刊

アンケート最終結果(自治会・町内会&NPOおうえんポータルサイト)

Miyagi Voice(2022)

みやぎボイス(2022)

10回目となるみやぎボイス2022のテーマは「災害が日常になった今」です。東日本大震災からの復興まちづくりを共有してきたみやぎボイスのプラットフォームを活かして、記録と検証の視点を持ちながら、災害とは、地域とは、復興とは、まちづくりとは、そしてその主体とは、を考え、まちづくりと人づくりに活かして行く場にします。個々のテーブルでは、引き続きみやぎボイスの目的の一つである“復興検証”、みやぎボイスで注視してきた石巻市半島部の“雄勝”、震災復興で漠然とした期待をいだいていた『コミュニティ形成と空間の力』の検証、復興まちづくりの現場に飛び込み協働している”復興支援員”、さまざまな士業団体の視点から見た復興まちづくりの”人・建築・法制度”などについて意見交換を繰り広げます。

Fukkou Dialog from Kobe 04 (2022)

復興ダイアローグ第四回:語り合う参加者募集中 →終了しました

災害が起きるとテレビやネットでその様子が連日伝えられ、その禍いに直接まきこまれていないひとびとも衝撃を受け、なにか助けにならねばと立ち上がります。「復興」は被災地の外側のひとびとと内側のひとびとが力を合わせて進める仕事であることはたしかです。ただ、仕事や目標が同じでも、見えているものや、その過程がもたらすものの意味は立場によって大きく変わるはずです。被災地の内側ではものごとの一つずつ、生活の一日ずつの価値が更新されてゆきます。外側からはその表面をまさぐるほかないときもあります。その違いはわかっているはずなのに、「復興」ということばがそれを覆い隠してしまうのかもしれません。だとすれば、「復興」とは、だれが のために何をすることなのだろう?「復興」の主体はだれなのでしょうか?

Inheriting the Memory of Disasters(2022)

「特集 災害の記憶の継承」日本建築学会 建築雑誌,2022年3月号

東日本大震災以降、『建築雑誌』3月号では災害や防災、復興の特集に繰り返し取り組んできた。これは大震災の記憶を少しでも継承しようという思いにほかならない。
自然災害や戦争、テロなど悲劇の現場では、その教訓を個人や時代を超えて保存しようとする試みが脈々と続けられている。本特集では、記憶継承のモノ・コト・バショ(被災物=モノ、語り部など活動=コト、記憶の拠り所=バショ)を切り口に、記憶継承の方法やその意味について議論したい。

Since the Great East Japan Earthquake, the March issue of Architecture magazine has repeatedly featured disaster recovery and disaster prevention. This is due to the desire to pass on the memory of the earthquake.
At the sites of natural disasters, wars, terrorist attacks and other tragedies, there have been ongoing attempts to preserve the lessons learned beyond the individual and the times. In this special feature, the methods and meanings of memory transmission will be discussed, taking as its starting point the things, koto and basho involved in the transmission of memory (disaster-stricken objects = things, activities such as story-telling = koto, and places where memory is based = basho).

Fukkou Dialog from Kobe 03 (2022)

復興ダイアローグ 第3回:語り合う参加者 募集中 →終了しました

震災の被災者とは震災でわざわいを受けた人のことをいいます。わざわいとは不幸な物事や悪い結果ということです。震災により住んでいた家が壊れたり、燃えたりなどの被害にあった人は被災者になり、市町村に申請すると罹災証明書/被災証明書が発行されます。でも、申請が認められないと/申請しないと公には被災者ではない?それだけではなく、震災の中では大きなケガをしたり、障害を負ってしまった人が、そして亡くなってしまった・・・亡くなった人は犠牲者で被災者とは言わない?震災でひどい目にあった人のそばで同じ痛みを感じる人は、被災者では・・・どうなんでしょうか?今回の対話では、これまで単純に考えていた「被災者」について深掘りし、「被災者」の意味に「しっくりくる言葉」を探し、今まで知られていなかった重要な側面を見出したいと思います。

Fukkou Dialog from Kobe 02 (2021)

復興ダイアローグ 第2回:語り合う参加者 募集中  →終了しました

これ震災前からあったっけ、それとも震災後に建ったやつやっけ……という会話が、神戸 ではまれによく聞かれます。建物・区画・まちなみの再建と改造は、たしかに「復興」のも っとも目立つ側面です。元通りにする、災害に強くする、美しくする、立派にする、懐かし さを残す、といったいろいろな視線がそこに混じり合っています。その槌音と視線が織りな す網目のなかにひとびとは四半世紀かけて棲み着きなおし、今のまちなみがいつのまにか 「こういうもの」として存在している。そうした過去の網目は、今のまちなみのなかではな かなか見えづらいかもしれません。あれ、これ震災前からやっけ、震災後やっけ……? 復 興ということばを負いながら、わたしたちは「まち」をどうしたかったのでしょうか、ある いはいまどのように理解したいのでしょうか。長田のまちのなかで立ち止まってかんがえてみます。

Fieldwork ✕ Design(2021)

フィールドワーク× デザイン:フィールドワーク技術の展開先としての「デザイン」を考える

「フィールドワーク× デザイン」をテーマとする公開研究会を開催します。今回は,これまで建築学ではフィールドワークの対象としてはあまり捉えられてこなかった「現場」(医療現場,研究現場,石垣築造 etc.)へのフィールドワーク技術の適用を試みている建築の研究者,実践者の活動を題材として,文化人類学者の木村周平さんを交え,フィールドワークとデザインの豊かな連携について考えます。人,物,情報がボーダーレスに地球規模で行き交う時代,そしてコロナ禍・・・。「フィールド」そのものをどのように再設定するか,ということを含めた柔軟な想像力がますます求められていると感じます。定員にはまだ余裕がありますので,HPよりお申し込みのうえ,ご参加ください(申し込み〆切10月6日)。https://www.aij.or.jp/event/detail.html…

Questionnaire Survey on Jizo-Bon (Response to COVID-19) (2021)

地蔵盆に関するアンケート調査(新型コロナウイルスへの対応)実施中 *画像をクリックすると回答フォームへ飛びます(回答の受け付けは締め切りました)

地蔵盆は近年、地域コミュニティ活性化への寄与という点から再評価されています。このアンケートは,昨年度に引き続き,京都市における今年の地蔵盆の実施の可否を含めたご予定や近年の状況についておたずねし,地蔵盆の現状と課題を把握することを目的としています。今後,影響が長期化することも予想される新型コロナウイルスへの地蔵盆を含む地域活動の継続方法を検討することに役立てていきます。

アンケートの対象: 京都市内で地蔵盆を開催している地域(町内)や団体であり、 今年の地蔵盆の開催者(地蔵盆の世話役、町内会・自治会の役員など)

回答期限:2021年8月10日

調査結果

紹介)京都っ子の夏休み飾る地蔵盆 コロナ禍に揺れる町内会(朝日新聞)
  「地蔵盆のいま」「地蔵盆のこれから」(FM京都αステーション NEWS ROOM α 「京都楽学」)

The Future Based on Sharing ―The Upcoming Paradigm Shift of Ownership(2021)

住まいから問うシェアの未来ー所有しえないもののシェアが、社会を変える』学芸出版社,2021年8月

シェアは資本主義の行き詰まりを超える希望か?シェアの現場を訪ねてみると、お金を払って共同利用していても、それに留まらず、空気や匂い、音、人間関係、責任が否応なくシェアされている。それが煩わしいときもあるが、暮らしを豊かにしていた。住まいを起点に、シェアを生きる基盤とする未来に向けた地殻変動を感知する

Is share a hope to overcome the deadlock of capitalism? In places where sharing is practiced, even if you pay for shared use, the air, smell, sound, relationships, and responsibilities are inevitably shared. Sometimes it was annoying, but it enriched your life. Sensing crustal movements toward the future based on share from the perspective of housing

コラム 英語・韓国語訳版

Issues and challenges in resettlement after a disaster: Who am I to decide my place of residence?(2020)

災害後の再定住における論点と課題:私の住まいを選ぶのは私なのか?,日本建築学会 災害からの住まいの復興に関する共有知構築[若手奨励]特別研究委員会:ポスト東日本大震災の住まい復興と共有知構築ー新しい計画論をめざして,2020年3月

東北地方三陸沿岸は豊かな自然資源に恵まれ、過去の津波被害のたびに自然資源を基盤として復興を遂げてきた。森や海といった生態環境の場合、めざすべき安定状態は一義的に決定される。すなわち、「自己の維持」という規範のもと生態環境は均衡に至る。一方で、社会環境の場合、生態環境とは異なり、何が安定的な状態であるか自明ではない。それゆえに社会環境は本来的に不安定である。近年における産業構造の転換や人口減少を背景として東北地方の社会環境は不安定さをさらに増している。
もちろん、人間も生物、生態環境の一部である以上、自己の維持(=健康)という規範は存在する。しかし、人間と環境の間には生物と環境との間以上の関わりが存在する。それは、倫理的であること、すなわち善し悪しの区別を持ち、規範に従って行動し、環境との間で「選択」が生じる、ということである。したがって、再定住とは「選択」の問題であると言うことができる。本稿では、災害後の再定住について、「選択」、「均衡」といったキーワードを通じて、論点・課題を整理する。また、東日本大震災における再定住に対する支援のあり方について考察し、人とその環境のあいだの関係的性質に着目した支援の必要性を示す。

The Life and Homes of Tamil People in the Former Tea Plantation(2020)

旧紅茶プランテーション農園に生きるタミルの人々と住まい:労働者長屋の成立と物理的実態について

This paper firstly summarizes the transition of tea plantations, focusing on the treatment of laborers’ dwelling and environment (line house) based on existing studies. Next, analyze the “design guidelines” (Planters Manual) that became the prototype of the standard plan for line houses. In addition, grasp the current situation of the residence of the line houses and compare it with the prototype. Finally, this paper explores mainly the physical aspect of the line houses, the Tamil people who have faced the situation at that time while being at the mercy of complicated history, and the image of residence of the line houses that have continued with them.

And yet Humans Share Spaces with Others (2020)

それでも人は他者と空間をシェアする

Architectural practitioners have actively proposed a share as a way to enrich their dwelling. However, now that the new-coronavirus (COVID-19) sickness has made us aware that the share is two sides of the same coin with the risk of infection, we can still see what people want from the share. At this symposium, we first reconsider the meaning of various shares being tried in the field of architecture. Then, we anthropologically ask what share is, and draw out the future of whether share continues to promote the disparity in housing, or how the practice of housing can play a role in correcting the disparity.

How will our Housing and Community change with WITH / AFTER new Corona Virus Pandemic(COVID-19)?(2020)

WITH/AFTERコロナ 住まい・まちづくりはどう変わる?

Telework has spread rapidly with the spread of the new coronavirus infection. While the spread of telework has revealed various merits, it also highlights issues related to living space. In the future, as telework becomes more familiar, a living environment that integrates work and housing will be required, and the degree of freedom in choosing a place of residence may increase. For the era of WITH / AFTER Corona, we will think about how to live, work, enjoy and live while teleworking in Osaka, and think about Osaka as a city to live with.

開催レポート

Exhibition “Machiya Vision”(2020)

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 X 京都市景観・まちづくりセンター 展覧会 Machiya Vision

※インタビュー取材への協力

京都の町家の再生支援や保存活動に積極的に取り組む京都市景観・まちづくりセンターとKYOTOGRAPHIEがコラボレーションする展覧会。
居住者、職人、建築家、研究者、起業家、支援者など京町家に関わる人々へのインタビューや生活の様子をとらえた映像、京町家のディテールの写真などで構成したインスタレーション展示。京町家の伝統と未来へのきざしを発信する。

This exhibition is a collaboration between KYOTOGRAPHIE and The Kyoto City Landscape and Town Planning Center, who are actively engaged in the restoration and preservation of Kyomachiya.
The exhibition consists of interview footage and daily life scenes of the various people connected to Kyomachiya, including residents, craftsmen, architects, researchers, entrepreneurs, and supporters. It presents a series of photos that share the detail and characteristics of the Kyomachiya. The purpose of this exhibition is to envision the future of Kyomachiya.

http://kyoto-machisen.jp/machiya-vision/

A STUDY ON HOUSE AND LIFE RESTORATION WITH HOUSEHOLD SEPARATION AND REORGANIZATION IN GROUP RESETTLEMENT (2020)

集団移転における世帯分離・再編を伴う住宅・生活再建に関する研究:東日本大震災における宮城県岩沼市玉浦西地区を事例として

This paper analyzed characters of house and life reconstruction behavior by residents in Tamaura-West district which is the large-scale group resettlement site rapidly completed in the Great East Japan Earthquake of 2011. It is clarified that the household separation is advanced. However, the drastic change is mitigated with adjustment of way of living by the residents themselves. It is caused to characters of plan of the district (rapid reconstruction, mixture of house types, maintenance of previous neighborhood etc.). On the other hand, restriction by customs about family and restoration institution sometimes have negative affect on the activeness of the residents.

Community disaster mitigation map in Yurin District, Kyoto (2018)

有隣学区 防災まちづくりマップ

都市計画で「密集市街地」と呼ばれるエリアには近代以前からの建築・空間が残され、そこに暮らす人々とともに都市の生活文化を現代に伝えている。しかし、密集市街地は近年、災害に対する脆弱性から更新の対象とみなされることがしばしばである。京都市下京区・有隣学区において、町家、路地、地蔵盆等といった資源の分布、および避難施設・設備の所在を、住民を中心に構成される「まちづくり委員会」メンバーが自ら調べ、防災まちづくりマップとして視角化した。防災まちづくりマップは、しばしば相克する密集市街地の「生活文化」と「災害安全性」を両立したまちづくりを進めるための第一歩である。また、紙版の地図だけでなく、オリジナル地図のオンライン共有プラットフォームと連携することで、ネットワーク上でも閲覧・編集可能とし、学区の防災訓練等でも活用されている。

The area called “dense urban area” in urban planning retains the architecture and space from the modern age, and conveys the life culture of the city to the present day with the people living there. However, in recent years, dense urban areas are often regarded as targets for renewal due to their vulnerability to disasters. In Yurin school districts, Shimogyo-ku, Kyoto City, members of the “Machi-zukuri Committee”, which is composed mainly of residents, investigate the distribution of resources such as kyo-machiya, alleys, Jizo-bon and the location of evacuation facilities/equipment, and visualized them as community disaster mitigation map. The map is the first step to promote a community development that balances the “life culture” and “disaster safety” of the often conflicting dense urban areas. In addition to the paper version of the map, it can be viewed and edited on the network by linking with stlory (the online sharing platform for the original map), which is also used in community disaster mitigation training.

(活動紹介記事)防災マップにStroly活用ー京都市下京区有隣学区防災まちづくりマップの事例紹介,2019年11月

踏み出すことが複雑さを解く一歩に,京まち工房, Vol.87, 公益財団法人 京都市景観・まちづくりセンター,p.6,2019年6月

Housing in Emergency and Future of City: beyond the COVID-19 disaster (2020)

非常時の住環境、これからの都市:新型コロナウイルス禍(COVID-19)を踏まえて

*この文章は京都府立大学生命環境学部2020年度前期講義「建築防災・安全計画」の講義資料として作成したものです。

The coronavirus (COVID-19) problem is a complex problem that spans a wide range of fields including medicine (epidemiology, public health), risk science, informatics, sociology, history, urban planning, and architecture. We will consider the living environment in an emergency from the perspective of “if a disaster occurs under the circumstances of the spread of new corona infection”, and introduce related information resources and literature. I think it is important to acquire the attitude and method to continue to think about how to “rightly fear” the risks around us and “do our best” to deal with them. In that sense, what is essentially important may be the same as it was before the new Corona. I hope everyone will be a glove hint to face the current situation.

Questionnaire Survey on Jizo-Bon (Response to COVID-19) (2020)

地蔵盆に関するアンケート調査(新型コロナウイルスへの対応)実施中 *画像をクリックすると回答フォームへ飛びます (回答は締め切りました)

地蔵盆は近年、地域コミュニティ活性化への寄与という点から再評価されています。このアンケートは、京都市における今年の地蔵盆の実施の可否を含めたご予定や近年の状況についておたずねし、地蔵盆の現状と課題を把握することを目的としています。今後、影響が長期化することも予想される新型コロナウイルスへの地蔵盆を含む地域活動の継続方法を検討することに役立てていきます。

アンケートの対象: 京都市内で地蔵盆を開催している地域(町内)や団体であり、 今年の地蔵盆の開催者(地蔵盆の世話役、町内会・自治会の役員など)

回答期限:2020年8月10日

アンケート中間報告(7月24日時点)

アンケート最終結果

紹介)コロナ禍で地蔵盆の開催は(テレビ大阪ニュース)

Community Development in terms from Accommodation in Emergency City(2020)

「非常時」の都市収容とまちづくり

“What is the relationship between the disaster prevention map and Jizo’s shrine?”
This is a simple question from a participant, local residents when I conducted a workshop in an area I am currently helping disaster prevention community planning. From the viewpoint of the theme of this special feature, Accomodating, it is necessary to watch the city not only during normal times but also during emergencies. On the other hand, when we think about emergencies, you also need to use your imagination about the situation of the city during normal times. Such a perspective between normal times and emergency times is indispensable for creating a truly disaster-resistant local society. However, it is often that the link between normal and emergency, which was natural for me, is not for others. What I introduced at the beginning was a word from the inhabitants who made this fact noticeable to me. Let’s look at the theme given to me in this article, “Urban Accomodation Focused on Emergencies.”

Social Urbanism -Knowledge exchange meeting between Latin America and Japan(2020)

Social Urbanism -Knowledge exchange meeting between Latin America and Japan

We will hold “Social Urbanism-Knowledge exchange meeting between Latin America and Japan” at 18:00 -21:00 on February 7 in Kyoto. We Invite an architect Alejandro Echeverri, who is known for urban renewal in Medellin, once called the “World’s Most Dangerous City”. Architects and researchers who practice Social Urbanism at domestic and abroad from the Japanese side will also share knowledge in South America and Japan. Although the capacity is limited, it is an open meeting, so if you are interested please join us!

Let’s think about the way of Jizo-Bon adapted to the times (2019)

第2回深草まちづくりカレッジ「時代に合わせた地蔵盆のあり方を考えよう

“Jizo-Bon” is a precious event where multi-generation of cho-community exchange each other. In Kyoto, there are areas where Jizo-Bon continues to be devised, such as by collaborating with welfare facilities and university students to address issues such as a reduction in the number of players and participants. Let’s learn about these cases, exchange opinions among participants, and join together to give tips on community revitalization, such as how to increase the number of players.

(参考)前田昌弘:地蔵盆と子ども, ASSEMBLY アセンブリー 京都に劇場文化をつくる03[特集]子ども/子供/コドモを考える,p.12,2019年3月

(参考)前田昌弘:存在の質から環境を捉え直すー地蔵盆まちづくり試論,建築と社会,no.1173,2019年12月

The future created by continuous fieldwork (2019)

日本建築学会比較居住文化小委員会 拡大委員会 継続的建築フィールドワークが拓く未来:ベトナムにおける研究の展開、プロジェクトの発生、フィールドの変化

Although Vietnam adopted the Doi Moi policy in 1986 and started working on cooperation with the international community, fieldwork by Western researchers was still rare. In 1994, a comprehensive survey of the townscape of Hoi An’s old town in central Vietnam was conducted. Based on this experience, the field has been expanded to other cities in Vietnam and other countries, but fieldwork in Hoi An continues every year. The possibility of fieldwork is considered from the development of research and field changes due to continued involvement in the field for over 25 years.

Redundancy of Relationships among Inhabitants of “Cho” Community in Terms of Involvement to Jizo-Bon Management(2019)

前田昌弘 他:地蔵盆運営への関与からみた町内住民間の関係の冗長性 -レジリエントなコミュニティ形成に果たす地蔵盆の役割に関する研究 その2 -

This paper analyzed how Jizo-Bon, small-scale religious festivals held widely in Kyoto-city, contributes for improving resilience of “cho”, the basic communities in the central urban area of Kyoto. We clarified that Jizo-Bon is one of important opportunities for inhabitants to be involved in “cho” except for “cho-nai-kai”, community management associations. The results show Jizo-Bon 1. Loads for management are distributed to the extent that each inhabitant can bear them. 2. Meaning of Jizo-Bon can be flexibly renewed corresponding with each inhabitant’s purpose or motivation for joining.

The Factors Affecting Acceptance of the Supports by the Residents of Temporary Houses in Terms of “Trust” to Others(2018)

前田昌弘 他:他者への“信頼”からみた仮設住宅居住者による支援の受け入れ要因 -東日本大震災における仮設住宅の住環境改善支援に関する実践的研究その2 -

This paper examined the factors affecting residents’ acceptance of the support based on the action research on support for improvement of temporary house and environment after the Great East Japan Earthquake of 2011. Some residents accept because they understood the problems and technology with their knowledge or experience. However, other many residents couldn’t understand them enough and depend their decision on “trust” to others. When they build trust, their expectation for ability of supporters as experts is lower than attitude of supporters as volunteers and residents understand supports better after acceptance of them and are more actively involved through their continuous involvement.

The Factors and Subjects of “Indirect Support” for Residents in Emergency Temporary Housing(2015)

前田昌弘 他:仮設住宅居住者への“間接的支援”の成立要因と課題- 東日本大震災における仮設住宅の住環境改善支援に関する実践的研究 -

We have conducted an action research on improvement of residential environment in temporary housing after the Great East Japan Earthquake of 2011 through the case of Motoyoshi, Kesennuma-city. This paper tried to clarify the factors why we could realize the support for residents of temporary housing although we had only limited resource and weak relationship with local actors or other supporters before the disaster. We analyzed realization process of our support from the view of “indirect support” (support for supporters) and the results are shown as follows. 1. “Indirect support” which doesn’t fix the relationship between supplier and recipient of support is efficient. The support is realized by the relationships which are created among supporters or between supporters and residents after the disasters. 2. Improvement planning of residential environment based on appropriate technology (preparation for hot and cold climate) is important. The planning should be acceptable for not only individual residents but for residents’ community and other supporters.

Research and Practice on Housing and Community Planning toward Resettlement Societies(2018)

前田昌弘:再定住社会のデザインにむけた住宅・地域計画の研究と実践

Social mobility and uncertainty surrounding local communities are increasing in the contemporary societies. “Resettlement society” means societies with social support for people who lost stable dwelling as unexpected reasons and intend to restore their stable conditions. Toward realization of the resettlement society, it is necessary to promote research and practice on dwelling design exploring equilibrium points beyond social conflicts and housing policy considering locality and dynamics of housing system.

Symposium: Learning from visionary architects(2019)

日本建築学会比較居住文化小委員会シンポジウム 幻の建築家たちの教え

時の試練を経た集落は格好の教科書、その構想者は会うことが叶わない幻の建築家――居住を取り巻く状況が急速に変化している現代においても、いや、むしろ現代においてこそ、フィールドに出向くと多くの学びがあります。しかしフィールドワークは名人芸に近く、定まった方法論はありません。そこで比較居住文化小委員会では、名人たちが何を考え実践してきたのかを広く伝えるべく、16 名の濃密なインタビューと直筆のフィールドノートをまとめ、書籍「建築フィールドワークの系譜:先駆的研究室の方法論を探る」を出版しました。
本シンポジウムでは、本書で取り上げた中から 4 名をお呼びします。第一部は、世界的建築家かつ先駆的フィールドワーカーである原広司氏と古谷誠章氏の講演です。フィールドに何を求めて旅立ち、どのような調査を行ない、その成果が設計の実践にどうつながったかについて解説します。第二部ではこれを受け、布野修司氏が建築計画学の視点から、陣内秀信氏が建築史学の視点から、フィールド研究のトップランナーとしてコメントします。その後は、比較居住文化小委員会のメンバーも加えたパネルディスカッションです。以上の講演と議論を通じて、フィールドワークの現代的な意義をあぶり出します。

Revitalization Proposal of the Oldest Dormitory Managed by Residents(2018)

宮原真美子・前田昌弘・佐野友厚・源五郎丸未来「カオスと秩序の境界に住まう ー日本最古の学生自治寮 活用・再生提案」

人と自然、動物が集い、行き交う、吉田寮。その「いききとした生活」を継承しつつ、市民にも開かれた場所として吉田寮が新たな未来をつくるための提案を行う。「カオスと秩序の拮抗」を吉田寮の居住文化と捉え、様々な形の「シェア」の仕組みを挿入することでカオスと秩序の境界を整える。

Symposium: Dwelling among Multiple Generations(2018)

日本建築学会 第13回住宅系研究報告会シンポジウム 世代の”あいだ”を暮らす

今日では3世代がひとつ屋根の下に暮らすことも珍しく、若者と高齢者の間で知識や経験を日常的に受け継ぐことも、子育てや介護の支援を親族から受けることも難しくなってきています。このように多世代での人間関係の希薄化が進む中、地域コミュニティにおける社会関係資本をどのように再構築していくのかは大きな課題といえます。本シンポジウムでは、子どもから高齢者まで、日常生活の中で自然な形で出会い、互いに学び支え合う世代間の関係づくりに取り組む実践者をお迎えし、縦割りかつ世代別に議論される施設と住宅の”あいだ”のデザインを住まいから問い直すきっかけとしたいと思います。

Genealogy of Fieldwork in Architecture(2018)

日本建築学会(比較居住文化小委員会)編「建築フィールドワークの系譜ー先駆的研究室の方法論を探る」昭和堂,2018年12月

現実の建築物は最良の教科書。そこに住む人々は最良の師。机上の訓練や座学をどれだけこなしても建築の技術は上達しない。とはいえフィールドワークは名人芸に近いという。どうすれば習得できるのか?この本を読めば、どこの研究室のドアを叩けばよいかが分かる!

<表紙カバー帯 推薦コメント>

過ぎ去った時を超えて、幻の建築家たちとの交信。その記録。それにしても、どうして彼等は、私たちの訪れを知っていたのだろうか。 ー原広司(建築家/東京大学名誉教授)

ここには僕自身も影響を受けた多くの先達がいる。建築のフィールドワークとは、文化の多様性の豊かさに触れる未知との遭遇の旅だ。 ー古谷誠章(建築家/早稲田大学教授/日本建築学会会長)

Community Design Research : Document Reports(2018)

*CEL(大阪ガス エネルギー・文化研究所) HPより引用

「コミュニティ・デザイン論研究」2017年度レクチャー・ドキュメント

同志社大学大学院総合政策科学研究科とCEL(大阪ガス エネルギー・文化研究所)は、教育研究協力協定の一環で同研究科科目「コミュニティ・デザイン論研究」を連携して開設しています。

加速する地域の多文化化、深刻化する次世代の格差の拡大と固定化、直面する地域再編の波、横断的な学びによる地域再生への試行など、激変する社会と切り結ぶ、コミュニティ・デザインの最前線で直面する課題を、文理を横断する多分野の研究・実践から捉え、解決への知を引き出し共有するための講座として企画・運営しているもので、12名の実践者・研究者が授業を担当しています。

このたび、2017年度に行われた授業を再構成して、12本のレクチャー・ドキュメントにまとめCELホームページにて公開いたしました。

新着情報欄からご覧いただけます。
http://www.og-cel.jp/index.html

人口減少とともに災害が多発する列島にあって、改めて地域の持続可能性やレジリエンスとは何かが強く問われています。コミュニティ・デザインをめぐる多分野の知とネットワークが、多地域での実践・研究につながり活かされていくことを願っています。

Recent Articles

◯前田昌弘「コロナ禍明けの地蔵盆と町内」特集 地蔵盆とまちづくり 2,京都だより,第566号,2024年1月号,pp.6-9,京都府建築士会,2024年1月

◯イベントレポート「地域の当事者目線で考えるサステナビリティ」,京大オリジナル株式会社+GREEN×GLOBE Partners(株式会社三井住友フィナンシャルグループ、株式会社三井住友銀行)2023年12月

◯前田昌弘:街並みと復興の倫理 ―現代の都市において場所性を媒介するもの,復興,第30号,pp.64―71,2023年9月

◯阪本真由美,前田昌弘,高原耕平,山住勝利:暮らしの復興とは何か―復興の「内がわ」と「外がわ」の対話より,復興,第30号,pp.57―63,2023年9月

◯前田昌弘「海外に研究フィールドをもつ」2023年度日本建築学会大会(近畿)建築計画部門パネルディスカッション「建築計画学の国際化に向けた戦略2―実践編」資料,pp.13-16,2023年9月

◯佃悠・前田昌弘・岩佐明彦・大津山堅介・益子智之「特集 そなえる都市 そなえる私」建築雑誌 vol.138, No.1779,2023年9月

◯前田昌弘「コロナ禍の地蔵盆における葛藤」特集 地蔵盆とまちづくり 1,京都だより 2023年9月号,pp.6-9, 京都府建築士会,2023年9月

◯川中大輔・前田昌弘・弘本由香里「対話で深めるコミュニティ・デザインと「文化」」,実践哲学としての「コミュニティ・デザイン論研究」を目指して>,その9,2023年7月29日

◯前田昌弘「文化がせめぎ合う場としてまちづくりを記述する」,実践哲学としての「コミュニティ・デザイン論研究」を目指して,その8,2023年7月29日

Guidebook for Revitalizing Vacant Houses(2018)

有隣学区まちづくり委員会空き家チーム「その空き家、放置していませんか?ー 有隣学区の空き家活用 ー」,2018年3月

住まいのお悩み、地域で解決しませんか?
◇学区では、空き家活用を進めています。
2002年度に発足した「有隣学区まちづくり委員会」は、有隣学区自治連合会や地域の住民の方々と連携し、2014年度から「空き家」を解消すべき問題としてだけではなく、地域資源として活かすための活動(京都市の地域連携型空き家対策促進事業を活用)を進めてきました。
専門家が、空き家活用を支援します。
有隣学区の空き家活用は、有隣学区まちづくり委員会のメンバー4名からなる「空き家チーム」が主導。有志の建築士や大学研究者も参画し、建物の改修プランや補助金の活用といった具体的な提案を行い、実施しています。

Reviewing 3.11 after 6.5 years from architectural planning and community design(2017)

前田昌弘「東日本大震災から6年半 連載を振り返って —建築計画・コミュニティの視点から」日本建築学会 建築雑誌, 2017年11月
当連載「震災復興の転換点」(担当=中島伸、前田昌弘、小泉秀樹)を開始した2016年1月時点で東日本大震災からすでに5年近くが経過し、現在に至るまで被災地はそれぞれの方法で復興へと向かっている(あるいは、いまだに復興に向かえない困難を抱えている)。そのような状況を踏まえ当連載では、復興に向けた取組みに生じつつある“個別性”に着目した。そして、それぞれの復興プロセスになんらかの“転換点”があったとすれば、それはどのようなものであったか、ということをテーマとして掲げた。
ここで言う“点”は地域に決定的な変質をもたらす“特異点”かもしれないし、あるいは、幾つかの“通過点”のひとつかもしれない。それは現時点ではわからない。復興は息の長い取組みなので、厳密な評価には少なくとも10〜 20年といった時間が必要である。とはいえ、東日本大震災は、わが国の社会構造の転換期(人口減少、高齢化など)に発生した大災害であり、復興においても社会組織のレジリエントな再編成が強く求められている。したがって、それぞれの取組みを“点”としてだけとらえるのではなく、どのような“線”が将来にわたって描きうるのか、“走りながら”でも問い続ける努力は決して無駄ではない。そういった、現場ごとのタイムラインについて、現場の人たちが敏感に察知し、また、同時代を生きるできるだけ多くの人々が共有・共感することが重要ではないだろうか。
このような問題意識を必ずしも十分に共有できていたわけではないが、当連載では2016年1月号からさまざまな分野、立場(研究、実務)の専門家から興味深いルポルタージュをご寄稿いただき、2年間の連載企画を終えようとしている。本稿では、建築計画、コミュニティの視点から連載を振り返り、幾つかの論点と今後の検討課題について考えてみたい。

Community Design toward Resettlement of Victims in the Nuclear Disasters(2016)

前田昌弘「原子力災害被災者の再定住とコミュニティ・デザイン」日本建築学会 建築雑誌, 2017年11月

東日本大震災の発生から5年が経過しようとしている。被災地の復興に向けた取り組みの成果が一部ではみえつつあるが、他方で、未だに多くの人々が各地で避難生活を送っている。原子力災害を引き起こした福島第一原発事故の影響は大きく、福島から県内外への避難者は約103,139人にのぼる(2015年11月27日現在、復興庁公表)。放射性物質の人体への影響はみえづらく、また、事故の収束の目処も未だ不透明である。そのため、原子力災害からの再生には多くの不確実性が伴っている。そのような状況下で避難者は、再定住(住みなれた環境から別の安定状態へと移行すること)の見通しを立てることさえ困難であり、多くの不安と葛藤を抱えている。
筆者らの研究室では、福島県から関西方面に避難して来た人々を対象として、避難者の居住実態と住情報支援の方策について発災直後から調査・研究を行ってきた。避難先での支援は現在も大きな課題であるが、一方で、避難元である福島県では原子力災害からの再生に向けて災害公営住宅の供給や原発周辺自治体の復興計画など、新たな取り組みも始まっており、復興は一つの転換点を迎えている。本稿では、転換期において先導的であると思われる取り組みとして、福島県居住支援協議会、および富岡町災害復興計画(第二次)検討委員会の取り組みについて報告し、福島のこれまでと今後について住まいと地域の再生という観点から考えてみたい。

Conserving Safety and Amenity along Narrow Alley(2016)

トンネル路地奥の再生長屋(2016/京都)

築80年を超す平屋の木造家屋。長い年月の間に繰り替えされた継ぎ接ぎ状の改修と老朽化がいたる所に見られ、水廻りが整備されていないこともあり、1 年以上空き家の状態が続いていた。家屋の屋根が路地に対してトンネル路地を形成しており、災害時には老朽化した屋根が路地奥の六軒長屋の住人の方の避難路である路地を塞いでしまう危険性が懸念されていた。改修後は一般的な借家としての活用を予定。設計は予算に合わせて大きな間取りの変更は行わず、家屋がもともと持っていた魅 力を引き出すような計画を行いました。借家を想定して水廻りにはシャワー室を新設し、現代の生活にも合った仕様とした。老朽化し雨漏りしていた屋根を撤去し、陽の入る明るい路地に。本体の屋根は重い瓦屋根から地震に耐え易い軽い板金の 屋根に葺き替えられた。いたるところに見られた老朽化や、柱や床の歪みは改善し、床がかさ上げされていた土間は元来の魅力を取り戻すために床を撤去し、元の姿に復元された。

Regeneration of Machiya (Traditional Wooden Town House) along the Narrow Alley

まわり路地沿いの再生連棟長屋(2016/京都)

表通りから「コ」の字型にのびる、ややめずらしい形状の路地(まわり路地)には、車の通過がなく、光と風がよく通る落ち着いた生活環境が生み出されている。しかし、この路地に沿って軒を連ねる計9件の町家の多くは長らく活用されず空き家となっていた。この町家のオーナーには、借家で収入を得るという考えがなく(商売として考えていない)、また、なるべくお金をかけたくないという考えがあったそうです。駐車場やマンションの用地として活用しないかという話を何度も持ちかけられたそうですが、親から受け継いだ建物に対する愛着もあり、なかなか決断できずにいた。 町家を直してみようと思ったきっかけは、町家に暮らしている人、町家関連の活動をしている人が身近にいたこと。人とのつながりや客観的な評価が励みになり一念発起し、5件の町家をまとめて賃貸住居として改修することにした。融資の借入や相続税対策など、経験してみないとわからないことが多くあったが、様々な人とのつながりの中で不安は次第になくなっていった。オーナーが近くに住んでいるメリットを活かし、入居者とゴミ出しのルールや路地の掃き掃除について話しあうなど、今では路地に住む魅力を再発見し、楽しみながら町家を運営している。

Transitional Lighting Detective Forum 2017 in Kyoto

世界照明探偵団フォーラム 2017 in 京都

世界照明探偵団フォーラムを2002年の東京大会を皮切りに、ニューヨーク、北京、ストックホルム、シンガポール、マドリード、台北などほぼ毎年、全12 回のフォーラム、ワークショップを世界各都市にて開催してきた。世界照明探偵団の発足の地である東京から12 都市を巡回したところで、再び日本に戻り、京都市民や学生と共に、京都の町あかりを考えるフォーラムを開催。3 日間のフォーラムでは京都らしい明かりとは何かの議論を積み、京都の町あかりのプロポーザルを作成し、そのプロポーザルを試す仮設ライトアップ(ライトアップニンジャ)を実施した。→LINK 世界照明探偵団フォーラム報告ページ

Architectural Design for Regenerating Tea Plantation Communities(2016)

前田昌弘 他「未来を開くきっかけとしての建築 -スリランカ旧紅茶農園長屋再生プロジェクト」地域開発, 第613号, 2016年

紅茶は17 世紀頃からヨーロッパで愛飲されるようになり、東西の交易や文化交流において重要な役割を果たしてきた。スリランカ産の紅茶もその一端を担い、世界史の中で重要な位置を占めてきた。「スリランカ」と聞いてもどんな国かピンと来ない人も、「セイロンティー」の産地と言えば、少しイメージが湧いてくるのではなかろうか。ところが、スリランカの紅茶産業をどんな人々が支えてきたのかということについては、少なくとも日本ではほとんど知られていないように思う。  本稿で紹介するプロジェクトに携わるまではわたしたちも同じような認識であったが、半ば偶然にもスリランカの紅茶産業を陰で支えてきた人々と触れ合う機会を得た。現在、紅茶農園の労働者として19世紀末にインド南部から移住してきたタミルの人々の生活を支えるために、彼らが住み続けてきた築130年以上の長屋の再生に携わっている。スリランカとは縁もゆかりもないわたしたちが現地では”負の遺産”と捉えられている紅茶農園に住む人々の支援にどのような形で関われるのか、時には戸惑いを感じながらも試行錯誤を続けている。  ここでは、現在進行形の取り組みを通じて、建築と時間、あるいは建築と支援といった観点から、“未来を開くきっかけ”としての建築の可能性について考えてみたい。

Revitalizing Old Line Houses in Sri Lanka(2014-)

旧紅茶農園の再生長屋とコミュニティ支援活動/スリランカ中央州キャンディ県

Sri Lanka is world-famous for Ceylon tea, the export amount of which was used to be the first of the world. However, the people who support the tea as labor are not well-known to the world. They are Tamil people, immigrants from South India, who are neither British people nor Sri Lankan people. The aim of this project is to revitalize a village, Bawlana village, where Tamil people have been living for 130 years, through support from architecture because they have been marginalized and poor after tea plantation here got closed about 30 years ago. We have regenerated a row house called “line house” in Bawlana. Although 1/3 of it used to be lost before the construction, it becomes a base of local tourism the attractive points of which are the history, the culture and the nature of Bawlana. Line houses in Bawlana consist of characteristic elements which are derived from 3 countries related to tea plantation. They are steel frames made in Britain 130 years ago, local granite and veranda space often seen in houses of Sri Lanka, and floor covered with cowpat closely connected with a ceremony of Hinduism from India. We planed the regeneration by two methods, namely, restoring parts of the original house and recomposing the characteristic elements so that the composition of it becomes seen more clearly. Line houses in the former tea plantation area are often regarded as “negative heritage” in Sri Lanka. However, if the history of Bawlana and Tamil’s life and culture are appraised by various viewpoints, it will be power of drawing the future of Bawlana. We believe that this regeneration will make a chance of it and this regenerated line house will be a place where a new history of Bawlana will be born.

Envisioning Urban Future (2018)

「特集 都市の未来を構想できるか? Envisioning Urban Future」日本建築学会 建築雑誌, 2018年3月

21世紀は都市の時代と言われる。人類の7割近くが都市で生活するようになるとの予測もある(World Urbanization Prospects, United Nations, 2014)。
しかし、現代都市は、人類の生(Life)の器として、十分な性能を有しているのだろうか? 例えば、日本の大都市では出生率が軒並み低下している。確かに、職住を分離し郊外化を進めてきたことで、通勤時間が増大した大都市では、女性の社会進出に伴い、ワークライフバランスを保ちつつ子どもを産み育てることは、困難かもしれない。また、保育施設の整備が不十分など、変化する社会状況に対応した子育て環境が確保されていない、ということもあるだろう。では、女性の社会進出に対応した保育環境の整った、また、職住近接したゆとりある生活を送れる都市をつくることで、出生率低下の問題は解決できるだろうか?
海外のリバビリティが高いとされる都市においても、また日本において比較的住みやすいと言われる都市においても、出生率は低い場合が多い。このことは、近代都市計画が対象としてきた都市の構造や物理的環境とそれらが人間活動に与える影響(例えば、住宅の広さや通勤時間、十分に環境の確保された施設整備やそこへの近接性の確保など)を操作することだけでは、出生率は回復しないことを暗に示している。むしろ、都市に装備されているソフトウエア、都市社会のシステムやそこで暮らす人々に共有されてゆく価値そのものが、生物としての「ヒト」には、マッチしていない。そのことが、出生率の低下の根幹的な理由ではないだろうか。
また、都市は、人が死にゆくという点においても、極めて脆弱な仕組みしか用意していない。孤独死や自殺が多発する状況は、極めて都市的な状況と言えるかもしれず、現代都市の問題を表象している現象のひとつだろう。

Geography of Contemporary Disaster Restoration(2017)

「特集 現代復興の地理学 Geography of Contemporary Disaster Restoration」日本建築学会 建築雑誌, 2017年3月

東日本大震災から約6年という時間の経過のなかで、被災地がいよいよ本格的に復興に向かっている段階(もしくはいまだに向かうことができない困難な段階)にある。そのような状況のなかで2016年4月には熊本地震が発生して甚大な被害がもたらされ、災害と向き合い続ける日本列島ということを私たちは再認識させられている。熊本地震では、東北や全国からの支援者が現地入りし、復旧・復興にかかるノウハウが現場に伝達されていると聞く。考えてみるとわが国では、こうした行政、企業、専門家、市民によるネットワークが復興のたびに技術伝播を伴って形成されてきた。そして、各地での災害リスクや被災状況などその土地に根差した復興が行われる。これは阪神・淡路大震災をひとつの契機とした時空間を超えた「復興ネットワーク」とも呼べるものであり、ここには「現代復興の地理学」とでも呼べる地図があるに違いない。今号では、いまだ道半ばにある東日本大震災からの復興を軸に、前後の復興とのつながりから相対的に未来を描きたい。

Rural and urban sustainability governance(2014)

Rural and urban sustainability governance (Multilevel Environmental Governance for Sustainable Development),United Nations University Press, 2014

The rural and urban communities have a distinct structure, function and dynamism, which provide us with livelihood and define our lives through our various daily activities. Circumstances surrounding the rural and urban communities are increasingly changing, such as with the rapid development towards globalization, and consequently the number of challenges needing solutions seems to be ever on the increase.

The focus of this book is on the rural and urban environments, and the wide-ranging representations of various players’ interacting activities that preserve or destroy these environments. The key issues contemporary to the rural and urban communities include appropriate overall environmental governance involving collaboration and competition among different actors, preservation or creation of a rich and lively living environment, and a search for ways to ensure the inheritance of our greatest assets for following generations.

This book attempts to elucidate the following issues: how we may use rural and urban sustainability as beacons for taking relevant and necessary policy measures and for community activities, and how to further ameliorate such measures and activities. The question of rural and urban sustainability is both specific and rich in context, and offers excellent cases for extracting the essence of multi-layered environmental governance. This volume presents current key academic findings, while also considering interactions between humans and nature, such as local resource management through the commons, and rural–urban interdependence.

Ch.18 Roles of micro finance in critical environmental transition by natural disaster -Case study of resettlement after the Indian Ocean Tsunami in 2004 

Cross-sectoral Research on Restoration Support after Natural Disasters(2010)

「自然災害と復興支援」(みんぱく実践人類学シリーズ9)明石書店、2010年

2004年12月のスマトラ島沖地震で甚大な被害を受けたインドネシア、スリランカ、インド、タイの四カ国での現地調査をもとに、被災地の救援、復興、発展(開発)に求められるものは何かを、文化人類学、防災、都市計画、建築など多角的な見地から論ずる。

“Machizukuri Company” for Revitalization of The Old Housing Estate(2013)

前田昌弘 他 : 市街地型住宅団地再生におけるまちづくり会社の導入に関する研究 -堀川団地を対象として-

In order to regenerate a housing complex, it is general situation that the project is driven by private developers. However, in the case of regeneration in urban area, cooperation between regeneration and community management is more important compared with regeneration in suburban area. This paper intends to find possibilities of “Machizukuri company” in regeneration of “Horikawa Housing Complex” which is the oldest RC housing complex with shops and dwellings in Japan. We analyzed discussion in “the Committee of Horikawa Machizukuri Company” which is composed by members from various speciality and background and interviewed the members about their sense of values and possible scheme to realize Machizukuri Company. As a result, we classifi ed “Machizukuri company” to 4 types by the roles (driver or coordinator) and initiatives (private sector driven or citizen driven). We also pointed out the appropriate schemes realizing each of the types by ownership of land and buildings and relationships between Machizukuri Company and administrative, private developers, the residents and citizen.

Building Trust in Support for Temporary Dwelling after Tsunami Disasters(2014)

前田昌弘,石川直人,伊藤俊介 : 津波被災者への居住支援と “信頼構築” の関係に関する研究 -気仙沼市本吉町における実践を通じて-

本研究は仮設住宅での暑さ・寒さ対策等の住環境改善支援の実践の経験をもとに被災者の支援のあり方を探ったものであり、支援者の限られたリソースにも関わらず支援が成立した要因として以下の 2 点を明らかにした。1)支援を提供する側からみた要因:個では解決できない問題への対応を模索する中で、情報共有を基礎として、「間接的支援」を行う関係性が形成された。2)支援を受ける側からみた要因:仮設の住環境および支援をめぐる不確実な状況下での意思決定において他者(支援社/他の居住者)への「信頼」(能力/姿勢にもとづく)が醸成/活用された。

This study explored support method for victims of the Great East Japan Earthquake of 2011 based on experience of support activity for improvement of housing environment in temporary houses and examined reasons which realized the activity despite of limited resources. 1) Relationships of “support for supporters” was created based on sharing aid information among various support actors in the process of exploring correspondence to problems which cannot be solved by each actors. 2) “Trust” for others (supporters/other residents) are fostered and utilized in the process of decision-making under the uncertain situation.

The Roles of Jizou-bon toward Building Resilient Communities(2015)

前田昌弘 他 : 京都市都心部における地蔵盆の運営実態と参加者の多様性 – レジリエントなコミュニティ形成に果たす地蔵盆の役割に関する研究 –

This paper examined actual condition of management of Jizo-bon in the central area of Kyoto-city and analyzed component of participants of Jizo-bon. As the result, we clarified people (ex. apartment residents) who tend to be unfamiliar with community activities also join in Jizo-bon. This result means that Jizo-bon play a role in the creation of a resilient community in terms of improving the “diversity” of community members which is one of the basic characteristics of resilient communities. In addition, we considered about the reason why Jizo-bon play a rore described as above. We pointed out that Jizo-bon has “flexibility” from view of selectivity of events, number of participants and place corresponded to the situation of each communities. These results suggest that community resources like Jizo-bon which has experienced change in the long time and succeeded as “the core” of community is meaningful in local community management in the era of uncertainty.

The Roles of Communities in Resettlement after Tsunami Disasters(2011)

前田昌弘 津波被災者の再定住地への移住と生活再建におけるコミュニティの役割 -スリランカ南部沿岸集落の多様な関係の持続性-

阪神・淡路大震災(1995年)の被災市街地における住宅再建と災害復興公営住宅団地を比較した研究(北後・樋口・室崎2006)においても指摘されているように、住宅復興は通常、被災者の生活再建のし易さから、被災地での住宅再建が望ましいと考えられている。  一方、新潟県中越地震(2006年)では、多くの集落で被災地外への集団移転が実施された。集団移転が本当に妥当であったか議論の余地はあるが、被災地には被害再発の恐れがある集落も多く、集団移転は実施された。  このように、社会状況や地域性によっては被災地外への住宅移転が避けられない場合がある。その場合、移転先の新しい環境に適応する負担が生じ、被災者の生活再建がさらに困難になる恐れがある。こういった住宅移転の問題について、居住地計画的な対策が必要だと考えられるが、実際的な対策に資するような研究は少ない。  住宅移転の問題はわが国に限らず、インド洋津波(2004年)、ハリケーン・カトリーナ(2005年)、四川大地震(2008年)、ハイチ地震(2010年)などにおいても発生しており、災害復興における普遍的な問題であると考えられる。   また、住宅移転の問題は、個人の生活がどうあるべきかという問題に関わるだけではない。現代社会における生活の質は、家族の関係、友人関係、仕事上の関係など様々な関係によって保たれている。コミュニティをこれら様々な関係の複合体と定義するならば、住宅移転の問題は、平常時のコミュニティがどうあるべきか、既存のコミュニティをどのように維持・継承すべきか、というコミュニティのあり方の問題にも深く関わっている。  本稿が対象とするインド洋津波後のスリランカも、同種の問題を抱える地域である。本稿では、再定住地へと移住した津波被災者の生活再建においてコミュニティが果たした役割の分析を通じて、住宅復興におけるコミュニティの維持・継承のあり方について考察したい。

The Effects of Microcredit on Resettlement after Tsunami Disasters(2011)

前田 昌弘 他 : 再定住地における生活再建とコミュニティ形成に対するマイクロクレジットの効果 – インド洋津波後のスリランカにおける住宅移転をともなう再定住に関する研究 その3-

This paper analyzed effect of Micro Credit in Resettlement Site with research of NGO staff and residents who belong to Micro Credit group. The results are as follows. (1) Micro Credit has economic effect in terms of life reconstruction through loan supply for economic activities in Resettlement Site where economic activities are difficult due to geographical and spatial features of Resettlement Site. (2) Micro Credit has social effect in terms of community formation through Micro Credit activity and re-organization of household relationships in Resettlement Site. NGO staff and residents organized Micro Credit group by using Neighborhood relationship and Blood relationship which were succeeded from previous settlement. And they also created new relationships which are across these existing relationships. (3) These results show possibility of Micro Credit as a method for sustainable residence in resettlement site design after natural disasters.

[Translated Paper] The Effects of Microcredit on Resettlement after Tsunami Disasters(2018)

Masahiro Maeda et.al : The effect of micro credit on life restoration and community formation in resettlement households affected by the tsunami

This paper analyzed the effect of micro credits in resettlement sites from the perspectives of the NGO staff and residents who participated in micro credit groups. The results are listed below. (i) Micro credits have economic effects for reconstructing life by providing loans for economic activities in resettlement sites in which economic activities are difficult due to the geographical and spatial features. (ii) Micro credits have social effects on community formations through micro credit activity and reorganizing household relationships in resettlement sites. NGO staff and residents organized micro credit groups through neighborhood and family/relative relationships, which succeeded from a previous settlement. Moreover, they created new relationships in addition to these existing relationships. (iii) These results show that micro credits may be a method for sustainable residence in resettlement sites that arise after natural disasters.

Resettlement from Tsunami Disasters(2016)

前田昌弘「津波被災と再定住ーコミュニティのレジリエンスを支える」京都大学学術出版会,2016年

自然災害などによって「再定住」を余儀なくされた人びとが直面する生活再建上の問題について、理論的な検討と具体的な事例をもとに論じる。2004年インド洋津波後の継続的調査にもとづいて再定住の論点と方法を体系化した本書は、東日本大震災における再定住のハード面の計画の見直しやソフト面での被災者支援のあり方を検討する上でも有益である。