
日本建築学会比較居住文化小委員会シンポジウム 幻の建築家たちの教え
時の試練を経た集落は格好の教科書、その構想者は会うことが叶わない幻の建築家――居住を取り巻く状況が急速に変化している現代においても、いや、むしろ現代においてこそ、フィールドに出向くと多くの学びがあります。しかしフィールドワークは名人芸に近く、定まった方法論はありません。そこで比較居住文化小委員会では、名人たちが何を考え実践してきたのかを広く伝えるべく、16 名の濃密なインタビューと直筆のフィールドノートをまとめ、書籍「建築フィールドワークの系譜:先駆的研究室の方法論を探る」を出版しました。
本シンポジウムでは、本書で取り上げた中から 4 名をお呼びします。第一部は、世界的建築家かつ先駆的フィールドワーカーである原広司氏と古谷誠章氏の講演です。フィールドに何を求めて旅立ち、どのような調査を行ない、その成果が設計の実践にどうつながったかについて解説します。第二部ではこれを受け、布野修司氏が建築計画学の視点から、陣内秀信氏が建築史学の視点から、フィールド研究のトップランナーとしてコメントします。その後は、比較居住文化小委員会のメンバーも加えたパネルディスカッションです。以上の講演と議論を通じて、フィールドワークの現代的な意義をあぶり出します。

